No. 44 (March 26, 2026) アレルギー体質ができる仕組み
- hiroizumidc
- 3月26日
- 読了時間: 6分
フロリダも日本も、花粉症が一番辛い時期ですね。年齢にかかわらず、アレルギーを持つ人は確実に増えています。アレルギーは体質によるものであり、アレルゲン(アレルギーを起こしている物)を避ける以外には対症療法しかない、という前提が一般的です。しかし、人間の遺伝子はそんなに短期間では変わらないので、何らかの環境的なものが原因でアレルギーを持つ人が増えている、という見方の方が理にかなっています。
実はアレルギー体質は、生まれつき持って生まれるもの、と言うよりも、「作られるもの」なので、機能性医学的アプローチを用いることで、アレルギー体質が作られることを避けること、もしくは症状を軽くすることは、大いに可能なのです。では、そもそもどうやって「アレルギー体質」というものは作られるのでしょうか?
アレルギーとは、本来であればただ何事もなく体外へ排泄されるはずである無害な異物に対して、免疫機能が過剰に作動し起こる炎症反応です。具体的には、肌のかゆみ、湿疹、鼻水、鼻詰まり、咳、嘔吐、腹痛、下痢などの症状があります。何故過剰反応してしまうのでしょうか?免疫学的には、「Th2」と呼ばれる免疫細胞の働きが優勢になり、様々なものに対してIgEというタイプの抗体がたくさん作られるようになると、アレルギー反応を起こしやすくなることがわかっています。
では、何がTh2の働きを強くしてしまうのでしょうか。ざっくり言ってしまうと、それは「炎症」です。炎症は、体の組織や細胞を修復する為に免疫機能が起こすものなので、必ず原因が存在し、誤作動で起こることでは決してありません。しかし、問題の根本の部分が解決されず、炎症が必要以上に長引いてしまったり、慢性的になってしまうと、免疫機能は疲弊し、悲鳴を上げ始めます。その結果としてまず現れるのが、抗体の大量生産であり、アレルギーの症状なのです。
慢性的な炎症の原因となりうる物は、睡眠不足、精神的ストレス、血糖値の乱れ、悪いあぶらの過剰摂取、腸内環境の悪化、化学物質や毒の摂取・使用などで、通常はいくつかの要因が重なり合って、慢性炎症へと発展していきます。このサプリを飲みさえすれば解決、というような簡単な問題ではありません。アレルギーの症状は、生活全体を見直し改善していかなくてはならないというサインなのです。近年のアレルギー問題の著しい悪化は、生活スタイルや食生活の変化、太陽の動きに連動しない生活リズム、食品添加物や農薬の使用、環境汚染などにより、体内での炎症が起こりやすくなっていることが大きいと思われます。
大人の間でも花粉症などを最近になってから発症したという人が増えていますが、現代の子供達が抱えるアレルギーの問題は特に深刻です。私が子供の頃は、アナフィラキシーを起こし得るくらい重度の食物アレルギーを持つ子は皆無で、喘息持ちの子供はクラスに一人いるかいないかくらいでしたが、今ではアメリカの学校のカフェテリアには必ずナッツアレルギーの子が座るテーブルがありますし、エピペンを常備している子も少なくありません。
現代の子供たちの間免疫がTh2優勢になっている背景には、いくつかの複雑な要因が絡み合っています。
1. 予防接種と免疫のバランス予防接種はその仕組み上、免疫細胞のTh2に集中的に働きかける性質を持っています。これが、現代の子供たちの免疫システム全体を「Th2優勢」に傾け、アレルギー体質になりやすい土壌を作っている一因ではないかと考えられています。
2. 腸内細菌のアンバランス腸内細菌のバランスが崩れると、腸に慢性的な炎症が起き、これが長引くとTh2細胞が過剰に反応しやすくなり、アレルギーを引き起こす一因となります。かつて日本でぬか漬けやキムチなどに含まれる乳酸菌が花粉症に効くと話題になった背景には、腸という免疫の司令塔の環境を整えることが、体の免疫バランスを改善し、アレルギー症状を和らげる可能性があるという科学的な根拠があったのです。
3. 解毒に必要な栄養素の不足私たちが普段口にする食べ物や、空気中に漂う化学物質によって、体内に取り込まれる「毒」の量は昔に比べて格段に増えています。体はこれらの毒素を無害化するために、大量のタンパク質やビタミン、ミネラルなどの微量栄養素を消費します。しかし、現代の食生活では、こうした解毒に必要な栄養素の摂取量が、体の需要に追いついていません。その結果、解毒機能が低下し、免疫系が混乱してアレルギー反応が出やすくなっているという深刻な問題があります。
4. 気象制御とカビの問題さらに、人為的な気象操作による大気汚染の進行や、日本特有の高湿度による「カビ」の蔓延も無視できません。大気汚染は粘膜を傷つけ、カビは強力なアレルゲンとして作用します。これらの環境要因が重なり合うことで、私たちの免疫システムは常に過剰な警戒状態に置かれ、アレルギー症状を引き起こしやすくなっています。
では、どうしたらよいのでしょうか。まず何よりも重要なのは、食事の内容を可能な限りクリーンにし、十分な睡眠時間を確保することです。睡眠の質は血糖値の影響を大きく受けるため、甘いものやカフェインを控え、良質なタンパク質と適切な脂質を積極的に摂ることで血糖値を安定させることが不可欠です。体内で毒素を分解・排出する「解毒」プロセスにはタンパク質が必須であり、特に動物性タンパク質の摂取が推奨されます。また、副腎疲労の兆候がある場合は、長時間空腹になることを避け、こまめに栄養を補給して血糖値を一定に保つよう心がける必要があります。
水や空気から入る化学物質や毒素を完全に除去することは現実的に不可能ですが、できる範囲で環境への曝露を減らす努力を積み重ねることで、体内の炎症レベルを大幅に低下させることは大いに可能です。重要なのは、炎症には必ず原因が存在するという事実を認識し、単に症状を抑えるだけでなく、何が炎症を引き起こしているのかを特定して根本からアプローチすることです。睡眠、食事の質、栄養摂取、そして環境要因——これら全ての要素が相互に関連しており、一つずつ改善していくことで免疫バランスの回復とアレルギー症状の軽減が期待できます。
西洋医学的なアプローチで誤魔化していると、原因探求はされず、問題はどんどん深刻化していきます。Th2優位の状態を放置しておくと、やがてはTh17という免疫細胞の働きが強くなり、自己免疫疾患へと移行していくことも研究で明らかになっています。近年大人によく見られる光線過敏症(一般的に「太陽光アレルギー」と呼ばれている)も、何かを変えなければいけないと体が訴えているサインです。薬でアレルギー症状を誤魔化して、根本的な問題を放置することは、絶対に良くないのです。
春はデトックスに最適な季節です。アレルギーの症状がある方は、試しに3週間ほど、甘味料(ハチミツなどの自然な物も含む)、化学調味料、乳製品、小麦製品、トウモロコシを避けてみてください。何か良い変化を生む可能性大ですよ。





コメント