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Issue No. 10 (March 21, 2022) タンパク質の重要性

もう15年以上前になりますが、私達が一番最初に学んだ食事療法は、ハレルヤダイエットという菜食主義で、それも卵も乳製品も一切摂らないビーガンの食べ方でした。ただ菜食主義というだけではなく、フードエンザイム(食物酵素)を壊さずに食べる重要性を説き、(当時は)7割を生で、残りの3割には火を通して食べることを勧めており、たくさんの人が実践し、西洋医学では治癒不可能と言われるような難病を克服した実績を持つ食事療法です。ハレルヤダイエットのような食べ方は、酵素だけでなく、植物に含まれる炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミンやミネラルなどの全てを熱で壊されることなく取り入れることができ、体から毒を出すデトックス効果に優れているので、実際にやってみると色んな問題がぐんぐん解決することは珍しくありません。


しかし、長い期間に渡って完全菜食主義を続けることは、多くの場合タンパク質の欠乏を招きます。豆など植物性でもタンパク質を多く含むものは確かにありますが、酵素阻害物質やフィチン酸などがそれらの消化を難しくしていることもあり、現代社会を生きる私達の体が必要とするタンパク質を植物性の物だけで補うのは困難であるというのが私達の印象です。タンパク質という言葉の語源はギリシャ語で「一番」という意味であることからもわかるように、タンパク質は私達の体を作る非常に大切な栄養素です。血中の成分は恒常性と呼ばれる機能が一定の範囲内に保たれるため、実際細胞のレベルでタンパク質が不足しているかどうかは血液検査などではなかなかわかりませんが、タンパク質不足のサインとしては、手足が冷たい、冷え性、体がむくみやすい、生理の問題、骨密度の低下、貧血、アレルギー性鼻炎、精神の不安定などがあげられます。体外へと排泄されるべき異物を運ぶのもタンパク質なので、極度にタンパク質が足りなくなると、少量の化学物質などに敏感に反応するようになり、使えるスキンケア商品、洗剤、食べられる物などが限られてきます。デトックスをすることで体調が改善すると思い、自己流でストイックな菜食ダイエットをしてしまい、更に体調が悪くなったというケースをこれまで何件もみてきました。


特に生理、妊娠・出産・母乳育児はたくさんのタンパク質を必要とするので、男性よりも女性の方がタンパク質が欠乏する傾向にあります。なんと日本人女性の9割は慢性的なたんぱく質不足に陥っているというレポートもあります。日本ではまだまだ「健康=菜食」というイメージが根強いため、摂取タンパク質が足りないという自覚がない方がほとんどで、多くの方は不調を年のせいだと片づけてしまっています。しかし、生活習慣全体を見直し、食生活を改善すると、驚くほど体調が良くなっていきます。


胃酸の酸度はタンパク質に含まれる栄養素から来るものなので、慢性的にタンパク質不足になっていると胃酸が充分に作れず、消化がうまく行きません。そのような方が突然タンパク質の摂取量を増やすと消化不良を起こしてしまうので、まずは消化のサポートから始め、消化の臓器の機能を回復させつつ摂取量を徐々に増やしていく、というようにステップを踏んで少しずつ進めていくことが必要になります。


タンパク質を欠乏させないということは、毎日元気に快適に過ごすためには絶対に欠かせない条件です。タンパク質不足は、まずは髪の毛、肌、爪、筋肉、関節の問題から始まり、最終的には体の機能全てに影響を及ぼしていきます。体の状態、強み、弱みは一人一人違うので、誰にとってもパーフェクトな食事法というものは存在しません。私どものクリニックでは、それぞれに合った食べ方をアドバイスさせていただいています。タンパク質不足を解消したいけれど具体的なやり方がわからないという方、是非一度ご相談ください。




 

アトランタに行って来ました!


先週は春休みで、和泉家は車で7時間かけて9年ぶりに米国ジョージア州アトランタに行ってきました。


アトランタには、我々の母校であるカイロプラクティックの大学Life Universityがあります。写真は、Life Universityの門の所にあるモニュメント「Giant Hands」の前で撮ったものです。カイロプラクティックとは、done by hand、要するに「手で行う技」という意味で、このモニュメントは創立者Sid Williams D.C.の手がモデルになっています。



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