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No. 43 (February 20, 2026) 健康の秘訣:筋肉量

日本では、特に女性の間で「細くて痩せていることが美しい」という美的感覚が一般的にあるように思います。もちろん、体型の好みは人それぞれですが、臨床の現場にいる立場から、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。それは、痩せていることと、健康であることは、必ずしも同じではない、ということです。


多くの日本人女性は、欧米人と比べれば体重は軽く、見た目も細い傾向があります。しかし、だからといって、より健康的であるとは限らないのです。実際に、日本人女性の間で非常に多く見られるのが、筋肉量が極めて低い という状態です。筋肉量が低いと、次のような問題が起こりやすくなります。


・低体温

・免疫機能の低下

・疲れやすさ

・睡眠の質の低下

・関節や体の痛み


さらに見落とされがちなのが、痩せていても内臓脂肪が増えているケース です。体重は軽くても、筋肉が少なく脂肪の割合が高い状態を、一部の研究者は 「スキニーファット(Skinny fat)」 と呼んでいます。この状態は、見た目からは分かりにくいにもかかわらず、


・血糖の不安定

・慢性的な炎症

・将来的な生活習慣病リスク


を高める可能性があります。


また、筋肉は体だけでなく、心の安定 にも関係しています。筋肉量が少なくエネルギー産生が低い状態では、


・気分の落ち込み

・不安感

・意欲の低下


といった精神的な不調が起こりやすくなることも知られています。そして、これまで多くの患者さんを診てきた中で、もう一つ強く感じていることがあります。十分なたんぱく質を摂取できている人は、男女を問わず、ほとんどいません。摂取量が少ないだけではありません。多くの方は消化力の低下によって、食事に含まれているわずかなたんぱく質さえ、十分に吸収できていないケースが少なくありません。一般的な目安として、最低でも体重(kg)×0.8g のたんぱく質は必要です。例えば体重50kgであれば、最低でも40gです。


さらに重要な点として、「年齢を重ねるとたんぱく質はそれほど必要なくなる」と思われがちですが、実際にはその逆で、若い頃と同じか、それ以上に必要になる可能性が示唆されています。筋肉は年齢とともに維持が難しくなります。意識的に運動とたんぱく質摂取を心がけなければ、自然に減っていきます。筋肉は単に体を動かすための組織ではなく、


・エネルギーを生み出す場所

・血糖を安定させる場所

・脂肪を燃やす場所

・免疫機能を支える場所


つまり、筋肉は 体内の代謝の中心なのです。


私はよく患者さんにこうお伝えしています。筋肉は、体の中の通貨のようなものです。筋肉量が豊富な人は、エネルギー、回復力、免疫力という「資産」を持っています。逆に筋肉量が乏しくなるということは、健康という意味で「貧しくなる」ことでもあります。健康とは、体重や見た目の細さではありません。疲れにくく、回復が早く、深く眠れる体の状態です。そのような体を支えている大きな要素が、筋肉量です。


筋肉を守るために大切なことは、とてもシンプルです。


1.筋肉に刺激を与えること(軽い抵抗運動を週に数回でも十分です)

2.質の良いたんぱく質をしっかり摂ること。


魚、肉、卵、大豆の発酵食品などを、毎食意識して取り入れてください。



 
 
 

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