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ニュースレター


No. 40 (November 22, 2025) 正しい脂質の摂り方
脂質は、三大栄養素の一つでありながら、何かと悪者扱いされることが多い栄養素です。あぶらと言ったら、太る、血液をドロドロにする、心臓に悪い、中性脂肪やコレステロールの値を上げる、といったような悪い印象が一般的ではないでしょうか。しかし、細胞ひとつひとつを覆う細胞膜の材料の半分は脂質であり、細胞膜が細胞の外と中を隔てる壁として機能することを可能にしていますし、特に脳は6割もが脂質でできているので、赤ちゃんが飲む母乳には脂質がたくさん含まれています。食欲をコントロールするレプチン、ストレスホルモン、性ホルモンなどは、あぶらが原材料になっています。このように、私達の体にとってとても重要な役割を果たしている脂質ですが、体に害になる場合も多いので、正しい種類の脂質を、正しい摂り方で接種することが非常に大切になります。 正しい脂質の摂り方の説明に入る前に、まず理解しなくてはならないことは、必ずしも脂質の摂取が、中性脂肪や血中コレステロールの値上昇の直接的な原因になるというわけではない、という事実です。あぶらは見るからにドロドロしていますが、それがそのまま体に吸
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11月22日読了時間: 6分


No. 39 (October 23, 2025) 乳製品
日本では戦後ずっと学校の給食で必ず出され続けている牛乳。例え牛乳という形では飲んでいなくても、チーズやヨーグルトや生クリームなどの乳製品や、パンやパスタやお菓子など、乳製品が原材料の一つである食べ物はそこら中に溢れているので、一日全く乳製品を摂らずに過ごしている現代人はあまりいないかもしれません。それほどもはや私達の生活に欠かせないものとなっている乳製品ですが、実は牛乳は日本人の食物アレルギーの原因として最も多い3つの食材(卵、牛乳、小麦)の一つでもあります。乳製品は果たして体に良いのか、悪いのか?努めて摂るべきなのか、避けるべきなのか?今回はこのことについて解説します。 まず、現代栄養学的に見てみると、牛乳はタンパク質、脂質、炭水化物の三大栄養素全てをふんだんに含む上、ビタミンB群やカルシウムも入っていて、栄養価的に大変優れたものであると言え、戦後子供達に推奨することで栄養状態の改善が期待されたことも納得がいきます。特にカルシウムに関しては、「牛乳と言えばカルシウム」、というようなイメージがある通り、一日に必要とされている量の約3割を一杯の量で
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10月31日読了時間: 7分


No. 38 (September 24, 2025) プラセボ
プラセボとは、本物の薬とそっくりだけれど、実は有効成分は含まない偽の薬のことです。薬としての効果はない 砂糖やでんぷんなどを、本物そっくりのカプセルや錠剤にした「偽薬」であるにも関わらず、本物の薬を摂ったと信じることで症状が改善することがあります。この効果を「プラセボ効果」と呼びます。「プラセボ」という言葉の語源は、「満足させる」という意味のラテン語のplacereという言葉で、「気休め」や「慰め」というニュアンスでも使われるので、「気休めの薬」というような意味で偽薬のことを指すようになったようです。 プラセボ効果がどれくらいの人に起こるかは、実験の状況、被験者の心理状態、薬の種類によって違いますが、一般的にうつ病、不安症、頭痛、胃腸の不調などには効果が高いことが知られており、50%もの人にプラセボ効果が見られることもあるそうです。 プラセボ効果は、安心したり期待する気持ちが体に生理学的変化をもたらすことによって起きます。具体的には、自律神経が副交感神経優位になることや、ドーパミン、エンドルフィンなどの物質が関係すると言われています。逆に副作用が
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10月31日読了時間: 5分


No. 37 (August 24, 2025) 気象制御
私達が住むフロリダ州では、人工降雨・降雪や気候工学など、気象を操作する人為的な行為全てが今年の7月1日から禁止され、違反すると最高で最高10万ドルの罰金と、最高5年の懲役が課されることになりました。この法案が通ったのは米国ではフロリダ州が最初で、その後まもなくテネシー州でも...
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8月24日読了時間: 6分


No. 36 (July 15, 2025) 若い時よりも、体が硬くなっていませんか?
皆さんは普段から柔軟体操をしていますか?もう何年もやったことがないという人は、ぜひこの機会に一度やってみてください。 多くの人は、昔と比べて体が驚くほど硬くなっていることに驚嘆されるのではないでしょうか? 今回は歳とともに柔軟性を失うことについてお話しします。...
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8月12日読了時間: 3分


Issue No. 35 (June 18, 2025) ストレスとステロイド剤の話
ストレスが健康に良くないことは皆さんよく知っていると思います。 ストレスが過度にかかっているとき、ストレスホルモンが分泌されます。 ストレスホルモンが過剰になると、緊張状態から抜け出せなくなり、睡眠や消化吸収機能といった生命維持の根幹を担う部分に支障をきたすようになり...
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8月12日読了時間: 4分


Issue No. 34 (May 15, 2025) 血糖値を安定させる食べ方
診療の中でも、プライベートでも、色々な方とお話ししていてよく気づかされるのは、血糖値が慢性的に不安定になっている人が非常に多いという事実です。血糖値が安定していないと、HPA軸(視床下部ー下垂体ー副腎系)と呼ばれるシステムが疲弊し、様々な不調へと繋がっていきます。血糖値を安...
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5月15日読了時間: 7分


Issue No. 33 (April 17, 2025) MSG
今年の1月にアメリカで赤色3号という合成着色料の使用が禁止になりました。アメリカでは食品での着色料の使用がものすごく、子供が食べるお菓子や飲み物がまるで絵の具を入れたかのようにカラフルで、日本から来たばかりの人は皆さん揃って驚かれます。着色料に関しては日本よりもアメリカの方...
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4月17日読了時間: 6分


Issue No. 32 (March 14, 2025) ポリオワクチン
1900年代前半のポリオ感染症の大流行を受けて、世界各地で科学者たちがワクチン開発に取り組みました。アメリカでは、ジョナス・ソーク医師が開発した「ソークワクチン」と呼ばれる不活化ワクチンが、大々的に接種が行われた最初のポリオワクチンです。不活化ワクチンとは、ウイルスを殺して...
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3月14日読了時間: 6分


Issue No. 31 (February 15, 2025) ポリオ
「ポリオ」と聞くと「足の麻痺」というイメージが強いですよね。しかし実は、ポリオウイルスは世界中で大昔から人間の腸内に存在するウイルスで、ポリオ感染症の75%はなんと無症状。発熱、喉の痛み、胃腸の不調など、風邪のような症状のみで収まるケースが24%で、残りの1%において激しい...
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2月15日読了時間: 6分


Issue No. 30 (January 15, 2025) ボーンブロス
日本でもアメリカでも寒い日が続いていますね。私達の周りでも、風邪、胃腸炎、インフルエンザ、新型コロナ、溶連菌など、ありとあらゆる感染症が流行っています。アメリカには、風邪をひいた時にはチキンスープを飲むという習慣があります。最近はパスタのような麺が入った「チキンヌードルスー...
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1月15日読了時間: 5分


Issue No. 29 (December 14, 2024) 風邪をひいてしまったら
先月は、風邪をひかないというメカニズムについて解説しました。しかし、いくら生活習慣を整え、免疫の強化に努めても、仕事や家族の都合や、人間関係などで、自分ではコントロールできない事情が重なって、免疫力が下がり風邪をひいてしまう、なんていうことは誰にでもあることです。特に12月...
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2024年12月16日読了時間: 6分


Issue No. 28 (November 14, 2024) 風邪をひかないメカニズム
季節の変わり目で、体調を崩す人が増える時期になりました。インフルエンザや風邪は、秋冬に罹患することが多いので、感染症の元になるウイルスや菌は、寒い時期になるとどこからかゾロゾロと群れを成してやって来るものだ、と思っている人もおられるかもしれません。しかしそれは間違いで、イン...
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2024年11月14日読了時間: 6分


Issue No. 27 (October 14, 2024) 批判的思考の必要性
「フッ素」と言えば、「虫歯予防」。日本で人気の歯磨き粉には、だいたい「高濃度フッ素」と書かれてありますし、歯医者さんでフッ素塗布をしてもらったことがある方も多いでしょう。アメリカでは、虫歯予防のために水道水にフッ素を添加している水道局が多く、我々が住むフロリダ州のサンフォー...
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2024年10月14日読了時間: 4分


Issue No. 26 (September 13, 2024) 肝臓機能を支える三つの栄養素
日本はまだまだ毎日暑いようですが、フロリダは気温が少しずつ下がってきて、朝晩はだいぶ過ごしやすくなってきました。涼しくなると同時に(とはいっても日中は30度を超えることが多いのですが)、体調を崩す人も増えてきています。季節の変わり目には、風邪をひいたり、アレルギーや喘息の症...
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2024年9月13日読了時間: 4分


Issue No. 25 (August 12, 2024) 「健全な精神は健全な体に宿る」
今回は、最近の子供の精神的な健康について感じることをシェアします。 現代の子供に多い、不登校や引きこもり。 昔は学校に一人や二人程度でしたが、今ではそんなに珍しいことではなくなりました。 統計を見てみると、小中高生の不登校は過去10年ほど増加の一途をたどっており、昨年の統計...
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2024年9月13日読了時間: 3分


Issue No. 24 (July 12, 2024) 炎症
アセトミノフェン、イブプロフェン、アスピリンなど、市販薬として売られている抗炎症剤は、ほとんどのご家庭で常備薬としておかれていると思います。痛みや熱などは本当に不快で厄介なものですが、これらの炎症は一体なぜ起きるのでしょうか?...
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2024年7月12日読了時間: 5分


Issue No. 23 (June 12, 2024) 運動の大切さ
日本人が長寿であることは世界中で知られていて、私達もアメリカで生活していて出会う人からよく「日本人は健康で長生きなんですよね」ということを言われます。日本人の食事はとても健康的で、肥満や心疾患が少なく、お年寄りもみんな元気、というようなイメージを持っているようです。確かに日...
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2024年7月12日読了時間: 5分


Issue No. 22 (May 12, 2024) 心の健康と栄養状態の関係
鬱、不安、パニックなど、心の病を抱える人がとても増えています。世の中の様々な状況や、社会の仕組みの変化など、増加の要因になっていると言われるものには色々ありますが、一番大きな原因となっているものは、現代人の栄養状態(栄養不足)であると私達は見ています。...
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2024年5月12日読了時間: 4分


Issue No. 21 (April 12, 2024) タイヤの跡症候群
現代の医療を皮肉ったお話を一つ紹介します。 ある町がありました。その町は人口も少なく、交通事故などはほとんど無い、平和で安全な町でした。 しかし少しづつ人口が増えてくると、四つ角で交通事故が増え始めました。 交通事故が増えた原因を突き止めるために、一人の専門家が雇わ...
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2024年4月12日読了時間: 2分
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