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No. 37 (August 24, 2025) 気象制御

私達が住むフロリダ州では、人工降雨・降雪や気候工学など、気象を操作する人為的な行為全てが今年の7月1日から禁止され、違反すると最高で最高10万ドルの罰金と、最高5年の懲役が課されることになりました。この法案が通ったのは米国ではフロリダ州が最初で、その後まもなくテネシー州でも可決され、現在他の数多くの州でも議論されています。


人工降雨・降雪は、飛行機で雲の中にヨウ化銀やドライアイスの粒子をばら撒き、それを核にして氷の粒が形成され、落下しながら成長し、結果雨や雪となるという方法で、英語ではクラウドシーディング(cloud seeding、訳すと雲の種蒔き)と呼ばれています。昔雨乞いで火が炊かれたりしたのは、煙や塵が核となり、クラウドシーディングと同じような降雨効果をもたらしたことがあったからだったのかもしれない、という説もあります。これまで米国では、干ばつ対策、空港周辺での霧対策、スキーリゾートで雪を降らせるなどの目的で、全米各地の自治体でクラウドシーディングが実施されてきています。現在世界最大の規模で人工降雨を行っているのは中国で、実際2008年の北京オリンピックの開会式の開催前に雨を人為的に降らせ、開会式の時には晴れるように操作した話はよく知られていますね。


気候工学(geoengineering、ジオエンジニアリング)とは、地球温暖化の対策法のひとつとして研究開発されたもので、人為的な気象操作によって気温の低下を図ることを目的としています。具体的には、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスを大気中から除去する技術や、地球に到達する太陽光を減らす太陽放射管理(Solar Radiation Management/SRM)を指します。二酸化炭素の除去法には、海に鉄をなどを撒いて光合成を促す海洋肥沃や、工学的に二酸化炭素を回収する技術などがあります。SRMは、1991年にフィリピンのピナトゥボ山が大噴火した後に、その火山灰の影響で地球の気温が0.5度下がった現象をまね、太陽光を遮る物質を成層圏(地球を取り巻く大気の層の一つ、地上から約10km~50kmの部分)に散布することで、温暖化を食い止めようとする方法です。散布に使用されるのは、硫黄酸化物、酸化トリウム、酸化アルミニウムなどの微粒子で、それらを飛行機もしくはバルーンによって人為的に成層圏に注入します。また、海の上の雲を人為的に強い白色にして太陽光を遮るという技法もあります。いずれにしろ、地球全体を対象にしたスケールの大きい気候工学は今のところ実施されていないとのことですが、小規模なレベルでの気候工学の実験は米国では許可されており、それは環境保護庁も認めています。


人工降雨・降雪にしろ、気候工学にしろ、これらの人為的な気象操作には、数多くの懸念事項があります。まずクラウドシーディングは、本来降るはずだった所から雨を奪った、と国際的な問題になることがありますし、降雨場所、タイミング、降雨量の細かいコントロールも困難である上、ヨウ化銀は海洋生態系に悪影響を及ぼします。気候工学は、オゾン層の破壊、酸性雨による農業への影響、更には生態系全体への影響などの問題が指摘されています。今後どのような影響が出てくるのかがはっきりわかっていない一方で、米国では既に相当な税金が気候工学のリサーチや実験に使われていますし、国際的に取り締まる法律も特になく、半ば無法状態であるというのが現状です。地球全体的な規模で行われる気候工学に対し、クラウドシーディングがもたらす変化は小規模なものなので、気象に対する大きな影響は無いはずであるとのことですが、その主張は「木を見て森を見ず」的な現代の医療の姿勢と似通っているようにも聞こえます。


気象や環境への影響はさておき、気象制御に使われる物質はどれも体に有害なもので、吸い込むことによって起こりうる問題には、呼吸器の問題、アレルギー、目や肌の炎症、胃腸の不具合、肝臓や腎臓への負担増加、癌、脳や神経の損傷などがあり、酷い場合には死に至ることもあります。しかし、あくまでも「ごく微量だから安全」というのが政府機関のお決まりの主張です。個人的には、花粉症やアレルギーを患う人が近年増加していることと、天候操作に使われているケミカルが関係している可能性は大いにあると思っていますが、何かの物質が何年もの間に渡って少しずつ体内に蓄積し悪さをする場合、何が原因であるのかを突き止めるのは非常に困難です。


皆さんは「ケムトレイル」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。何本もの飛行機雲が空いっぱいに広って、風に流され薄い雲となって空全体を長時間にわたって覆っている様子を見て、「何か有害物質が故意に撒かれているのではないか」という憶測から、コントレイル(contrail、飛行機雲)とケミカル(chemical、化学物質)の二つの言葉を組み合わせて、「ケムトレイル」という言葉が生まれました。SRMの目的で飛行機で成層圏に物質が撒かれた場合、飛行機雲と同じような様子が見られる、との説明書きはネット上でも見つけられます。しかし、実際にそれが行われている際に、空の上でどんな風に見えるのか、という絵や写真が一つも出てこないので、飛行機雲が平行に何本も空に広がっているのを見るとますます疑いたくなりますが、一般的には、ケムトレイル=陰謀論、ということになっています。しかし、たとえケムトレイルではないかと疑われている物が単なる飛行機雲だったとしても、クラウドシーディングや、気候工学の実験が行われているのは事実で、それに使われている化学物質が体に有害であることも事実です。一見無害に見える飛行機雲にさえも、鉛などの有害物質が含まれています。フロリダ州では気象制御は禁止になったものの、蚊媒介感染症の対策として、色々な所で殺虫剤が撒かれています。私達の知らない所で、意図的に私達の健康や環境を害するという陰謀が企てられていても、企てられていなくても、確実に大気や土壌は相当汚染されているのです。


ではどうしたらよいのでしょうか。気象制御に賛同しない方は、反対の声を上げ、政治家に働きかけることも良いかもしれませんが、賛同するしないに関係なく、まず全員がするべきことは、体の解毒能力を高めるように努める、ということです。同じ物質、同じ量でも、影響を受ける人と受けない人がいます。体全体のキャパが大きい人は、ちょっとしたことではやられません。解毒に必要となるタンパク質をしっかり摂ること。血糖値のアップダウンや、未消化の食べ物や、腸内環境が悪いことは解毒の臓器を圧迫するので、糖質中心の食生活や甘いものは極力避け、胃腸の健康を整えること。リンパの流れを促進するために、毎日何らかの運動をすること。全ての臓器が潜在的に持っている力を出せるように、骨格のバランスを整え、充分な睡眠をとること。結局やるべきことはいつもと同じなのです。


解毒の臓器の機能を高めるためには、直接肝臓や腎臓や免疫機能に負担をかけるものをできるかぎり減らすことも大切です。アルコールや薬、着色料や添加物が入った食べ物・飲み物はもちろんですが、洗濯用洗剤、柔軟剤、食器用洗剤、掃除用洗剤、芳香剤、消臭スプレー、虫除けスプレー、除菌スプレー、化粧品、スキンケア商品なども、この機会にぜひ一度見直してみてください。


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