No. 36 (July 15, 2025) 若い時よりも、体が硬くなっていませんか?
- hiroizumidc
- 8月12日
- 読了時間: 3分
皆さんは普段から柔軟体操をしていますか?もう何年もやったことがないという人は、ぜひこの機会に一度やってみてください。
多くの人は、昔と比べて体が驚くほど硬くなっていることに驚嘆されるのではないでしょうか?
今回は歳とともに柔軟性を失うことについてお話しします。
誰でも歳とともに関節や筋肉の柔軟性が低下し、動きにしなやかさがなくなり、無理な運動をすると怪我をしやすくなります。
たとえて言えば、ゴムまりなら高いところから落としても壊れることはありませんが、花瓶を1メートルくらいの高さのところから落とせば間違いなく割れてしまうのと同じことです。
さらに、硬くなるのは筋肉や関節だけではありません。体の中の臓器も同じように柔軟性を失う傾向があります。
肝臓、腎臓、心臓、膵臓、脾臓、消化器系臓器、泌尿器臓器などの臓器の柔軟性がなくなると、必ず臓器機能の低下が起こります。
では硬くなるという現象はなぜ起きるのでしょうか?
もちろん理由は一つではなく、複合的な要因で起きるのですが、最も顕著な理由は線維化と呼ばれる現象です。
線維化は、慢性的な炎症、損傷、活性酸素、あるいはその他の刺激に対する過剰な修復反応として、組織内に過剰なコラーゲンなどの線維性タンパク質が蓄積する状態を指します。この線維組織の蓄積が、臓器の正常な構造と機能を妨げる主要なメカニズムとなります。
線維化が関連する主要な臓器疾患の例:
肝臓: 肝硬変(肝臓の線維化が進行した状態)は、肝不全、門脈圧亢進症、腹水、黄疸などを引き起こします。
肺: 肺線維症(特に特発性肺線維症)は、呼吸困難を引き起こし、最終的には呼吸不全に至ります。
腎臓: 腎線維化は、慢性腎臓病の主要な特徴であり、腎機能低下から透析や腎移植が必要な末期腎不全につながります。
心臓: 心筋線維症は、心不全や不整脈のリスクを高めます。
関節: 関節の線維化(関節包の肥厚など)は、可動域の制限やこわばりを引き起こします。
膵臓: 慢性膵炎における膵線維化は、膵外分泌機能不全や糖尿病を引き起こします。
このように、線維化は体内のほぼ全ての臓器に発生する可能性があり、その進行は臓器の構造と機能を著しく障害し、生命を脅かす深刻な臓器不全につながる病態です。先進国における死亡原因の最大45%が線維性疾患に関連しているとも言われています。
それでは過剰な線維化を防ぐ方法を最後に紹介しておきます。
早寝早起きや適度な運動は当然のことながら、栄養面に注意を払うようにすると過剰な線維を防ぐことができます。過剰な線維化を防ぐことは臓器の機能を維持するだけではなく、筋肉や関節の柔軟性を保ち、見た目においても肌などをしわやシミの少ない若々しい状態に保つことができるようになります。
抗炎症・抗酸化作用の高い食生活:
野菜と果物の摂取: ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどの抗酸化物質を豊富に含む野菜や果物を積極的に摂りましょう。
オメガ-3脂肪酸: 青魚(サバ、イワシなど)に含まれるオメガ-3脂肪酸は、強力な抗炎症作用を持つことで知られています。アマニ油やチアシードなど植物由来のものもあります。
加工食品や高GI食品の制限: 慢性炎症を引き起こしやすい加工食品、精製された炭水化物、過剰な糖分などの摂取を控えめにしましょう。
グルタチオン前駆体の摂取: グルタチオンは体内の重要な抗酸化物質であり、線維化を抑制します。直接の摂取が難しい場合は、その前駆体であるN-アセチルシステイン(NAC)や、グルタチオン合成に必要なアミノ酸(システイン)、ビタミンB群、セレン、硫黄を多く含む食品(卵、ニンニク、玉ねぎなど)を摂ることも有効です。





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