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Issue No. 4 (December 22, 2021) 4つのボディータイプ④:甲状腺タイプ

hiroizumidc

更新日:2024年1月26日

【痩せられない原因はこれかも?!】

4つのボディータイプ④:甲状腺タイプ


今週は「甲状腺タイプ」をご紹介しています。記事は甲状腺の機能が痩せられない原因である可能性についてのお話ですが、痩せている痩せていないに関わらず、甲状腺機能の低下は現代の日本人、特に女性にとってはとても身近な問題です。今や日本人女性の8人に一人は、甲状腺の機能を低下もたらす自己免疫疾患「橋本病」を持っていると言われています。


外から体内に侵入しようとする病原菌や、体内に属さない異物を攻撃する機能が免疫機能ですが、橋本病とはその免疫機能が自分自身の甲状腺を攻撃してしまう自己免疫疾患で、グルテンアレルギーとの関連が指摘されています。グルテンとは、小麦や大麦などの穀物に含まれるタンパク質で、パンの弾力性の元になるものです。このグルテンに対してアレルギー反応を起こす抗体が、誤って甲状腺の細胞をも攻撃してしまっているようなのです。実際、グルテンを避けることで甲状腺機能が回復したケースがたくさん報告されています。


グルテンアレルギーが増えている原因のひとつに、腸内環境の問題があります。腸の中の状態がよくないと、消化がきちんと最後まで行われないので、腸内で炎症が起こり、未消化の物が体内に入ってしまうことがアレルギー体質を生むのです。機能医学的アプローチで診療にあたる医師達がまず消化の問題からみていくのはこのためです。やはり全体を見て行かなくてはいけないということですね。


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☆甲状腺☆


甲状腺は、私達の体の全ての活動を支えるエネルギーを栄養素から作り出したり、体内で細胞や組織を作ったりといった代謝のスピードを調整したり、体温の調節をコントロールするホルモンを分泌する臓器です。甲状腺ホルモンの働きが鈍くなると、体中の細胞の機能が鈍化し、エネルギーが消費されなくなるため、脂肪を燃やすことができずどんどん太っていきます。


☆甲状腺タイプの特徴☆


以下にあげたサインや症状がある場合は、甲状腺タイプである可能性があります。


◎体全体に脂肪がついている。

体の一部分に集中して脂肪がつきやすい他の3タイプに対して、甲状腺タイプの場合には体全体にまんべんなく脂肪がつきます。これは体中の細胞の代謝スピードが鈍くなることによる現象なのですが、脂肪の蓄積だけではなく、体全体がむくみがちになり「水太り」します。特に寝起きに瞼がはれぼったくなる人が多いです。また、コレステロール値が高くなるのも典型的なサインです。


◎やる気がなく、疲れやすい。

全てがスローになっているので、やる気が起きず落ち込みやすくなり、頭も回らず忘れっぽくなります。長時間寝ても疲れが取れないことも珍しくありません。性欲も減退し、生理が止まることもあります。


◎冷え性で手足が冷たい。

代謝が落ちると体温も下がるため、甲状腺機能が低下すると寒がりになります。


◎糖質を無性に食べたくなることが多い。

脂肪を燃やしてエネルギーにすることができないので、ご飯、麺類、パン、スイーツなど、エネルギーに変換しやすい糖質を体がやたらと欲します。


◎肌や髪が乾燥し、抜け毛が多い。

タンパク質生成のスピードも鈍くになる為、肌、髪の毛、爪などが衰退していきます。眉毛の特に外側1/3~半分が薄いのも、甲状腺機能が低下している人によく見られる現象です。


☆甲状腺タイプになる原因☆


甲状腺タイプのケースは、元々は別の臓器やシステムの問題であったものが甲状腺の機能に影響を及ぼし、結果として代謝が低下する場合が多いです。例えば、甲状腺ホルモンの大半は肝臓で変換されることによって働ける形になりますが、肝臓の機能が低下しているとその変換がうまく行きません。また、自己免疫疾患である橋本病は、グルテンにアレルギーである人の免疫機能が、グルテンとよく似ている甲状腺の細胞を攻撃してしまうことによると言われています。副腎タイプを放置することによって、もうこれ以上体を刻むことができないという限界まで体を追い込んでしまった結果、体があえて代謝を落とす場合もあります。


☆カロリー制限をすることで、痩せにくい体を作ってしまうことも☆


低カロリーダイエットとリバウンドを繰り返すことによって代謝が落ちてしまい、どんどん痩せにくい体質になっていくケースもよく見られます。長時間食べずに飢餓状態でいることは、栄養的に余裕のない体にとっては大変なストレスなので、それが繰り返されると実は代謝が落ちるのです。アメリカでは日本人ではありえないような太り方をした人を見かけることがよくありますが、その人達は全員とんでもない大食いかというと、実はそうではありません。びっくりするくらい少ししか食べないのに痩せられないという人もたくさんいます。代謝が落ちてしまうと、カロリーをいくら制限しても痩せられなくなってしまうのです。


最近Intermittent fastingという、14-16時間食べないことによって体内の炎症を少なくし、健康を促すダイエット法が注目を集めており、私どものクリニックでも患者さんにお勧めすることがありますが、このファースティングは誰がやっても効果が出るというようなものではなく、14-16時間ファースティングさえすれば残りの時間は何を食べてもよいというものでもありません。きちんと専門のドクターに適性を確かめてもらい、正しい食事法を指導してもらった上で行わなければ、かえって逆効果になってしまうことがあるので、要注意です。


☆甲状腺の問題は血液検査では出ないことも多い☆


甲状腺機能が低下しているサインはたくさんあるのに、健康診断での血液検査では全て正常、というケースはよくあります。たとえ血液検査で異常が出たとしても、西洋医学ではホルモン補充療法しか対処法はありません。しかし、甲状腺の問題の多くは、生活習慣を変えることで改善できます。甲状腺の機能が低下するまでには長い間の不摂生やストレスが関係するので、機能回復には長い時間を要することが多いですが、食事を整え、血糖値を安定させ、消化をよくして、腸内環境を改善し、肝臓をサポートして解毒がスムーズに行われるようにすれば、甲状腺の機能は回復して元気になり、結果として自然と体重も理想体重へと近づきます。「痩せてから健康になる」のではなく、「健康になることで痩せる」のです。





次回のニュースレターでは、これまでご紹介した4つのボディータイプについてまとめたいと思います。

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