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Issue No. 13 (October 25, 2022) 「症状」

私達は生活指導の中でよくサプリメントをお勧めしますが、サプリメントを自然な「薬」だと思っておられる方がたまにおられます。西洋医学の「薬」は化学合成されたものであるけれど、サプリメントは自然界に存在する原材料からできているから副作用が起きにくい、というような認識です。確かに巷には西洋医学の薬のような効果をうたうサプリメントもありますが、少なくとも私達が治療の中で使っているサプリメントは、薬とはメカニズムが全く違います。薬は、胃酸の働きを止める薬や、ヒスタミンの作用を抑制する薬、抗炎症薬と呼ばれる体内の炎症を抑える薬などのように、体内で起こっている何かの活動を止めることで症状の改善をはかるものが一般的です。それに対して、私達がお勧めするサプリメントは、問題の根本原因である栄養素の欠乏を補う栄養補助のものや、体がやろうとしていることをサポートするような役割を果たすものなどが多く、体内で起こっていることを止めるのではなく、そもそも症状の原因となっている根本的な部分からの解決をはかります。


例えば、「頭痛」という症状について考えてみましょう。多くの頭痛は、非ステロイド系抗炎症剤やトリプタン系製剤と呼ばれる薬を服用することで、炎症や血管の拡張が抑えられ、それによって痛みを和らげることができます。では、炎症や血管の拡張が痛みの根本的な原因だった、ということでしょうか?答えは「ノー」です。何故ならば、その炎症や血液の拡張にも原因があるからです。頭痛に繋がる原因には、アルカリ性ミネラル不足によって頭の付け根部分の筋肉が硬くなってしまうこと、睡眠不足やストレスによって交感神経が慢性的に優位であること、血糖値が慢性的に不安定であること、異物や毒になるものが体にたまってしまっていることなど、様々な物があります。なので、アルカリ性ミネラルを補充するサプリメントをお勧めする場合もありますし、血糖値コントロールを担う副腎の機能をサポートするサプリメントや、解毒の臓器である肝臓や腎臓をサポートするサプリメントをお勧めする場合もあります。このように、対処法は症状によって決まるのではなく、原因によって違ってくるのです。


では、このように原因別に処方されたサプリメントを摂ることが根本治療なのでしょうか?実はこれも「ノー」です。例えばアルカリ性ミネラルが欠乏する原因には、単に野菜の摂取量が足りない場合もありますが、砂糖の摂り過ぎ、カフェインの摂り過ぎ、何らかのストレス(必ずしも精神的とは限らず、肉体的または物質的な物の場合も)によってアルカリ性ミネラルが浪費されていることなど、色々なものがあります。解毒の臓器に負担をかけるものにも、アルコールや化学薬品などはもちろんですが、胃腸の状態がよくないこと、血糖値が不安定であること、運動が足りないことなども考えられます。症状の本当の原因はこれらのことであり、それを改めることが真の治療法なのです。機能性医学とは、単にハーブから作られたサプリメントを西洋医学の代わりとして用いる療法、ではありません。症状を抑えることが目的なのではなく、問題の真の原因を突き止めそして解決していく、西洋医学と機能性医学の違いはここにあります。


症状は、真の原因に気づかせてくれるありがたいメッセージであり、何らかの軌道修正が必要であるという警告であり、無理矢理抑え込んで無視しては絶対にいけない物なのです。もちろん全ての人が原因を全部除去できるわけではありません。よくないとわかっていても、それを改めることが不可能な状況にいる場合もあるでしょう。しかし、どのような生活スタイルが体に負担をかけているかをきちんと認識し、コントロールできる範囲内でベストを尽くし、取り除けるものを取り除くだけでも、体の器を大きくすることが可能なのです。


症状を敵だと決めつけてしまうことには注意を払わねばなりません。体に毒になるものを食べてしまい嘔吐や下痢など食中毒の症状が出た場合、吐き気止めや下痢止めで無理矢理症状をおさえこむことは体にとって害になる、ということは誰でも簡単に理解できると思います。では、何かに感染した際の発熱はどうでしょうか?発熱は体が異物や体内の損傷に対応するために起こす炎症作用のひとつです。それを熱が出るたびに薬で抑えることは、体に一体どのような影響を与えているのでしょうか?また、子供が受ける予防接種のおかげで、麻疹、おたふく風邪、風疹、水疱瘡、百日咳などが流行することは少なくなくなりましたが、それらの病気にかかり克服した子供は、将来色々な癌や白血病などにかかりにくいというスタディーも数多くあります。病気にかからないことが、必ずしも長い目で見て良いことであるとは限りません。近年日本でもアメリカでも、医療行為に関する個人の選択の自由を制限するような風潮が多く見られますが、今こそ一人一人が周りに流されることなくきちんと情報を吟味して選択していく必要がある時であると私達は思います。



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